世界で唯一セーラー万年筆だけが製造する万年筆とは?

世界でセーラーだけが製造する万年筆とは、何でしょう。
それは、21金製のペン先です。
なぜ、セーラー万年筆が21金にこだわるのか。その理由を紐解いていきましょう。

ペン先に宿る「21K」の刻印

セーラー万年筆のペン先には、「21K」と刻印されているものがあります。これが21金ペン先です。
数多くの万年筆メーカーが14金や18金のペン先を製造していますが、21金のペン先を製造しているのは、セーラー万年筆だけ。今日も広島の呉にある工場で、全ての21金ペン先が作られているのです。

金のペン先が使われる理由

そもそもなぜ万年筆は金のペン先を用いるのでしょう。
その理由は、インクの腐食に強く、弾力性に富んだ金属だから。

今日では改良が進み特殊ステンレス製の、丈夫である程度弾力のあるペン先も多く製造されています。手頃な価格で手に取りやすいところが魅力ではありますが、やはり金のしなり具合には勝てません。
万年筆独特の柔らかなタッチを楽しむためには、金のペン先が最適なのです。

なぜ21金なのか

それなら、14金と21金では何が違うのでしょう。
24金は純金のことなので、金100%です。
14金は、金の含有率が14÷24=58.5%ということになります。
21金は、21÷24=87.5%。金は柔らかい金属ですので、含有率が高いほど柔らかくしなります。

「それなら純金の24金なら最も柔らかく書きやすいのでは?」と思われるかもしれませんが、残念ながら24金では柔らかすぎて筆圧を受け止めきれず、ペン先が開いてしまうなど筆記に向いていません。

つまり21金ペン先は、書いた時の筆圧を受け止めて、ペン先が適度に柔らかく撓(たわ)み、しなることで、“ フェザータッチ” とも言われるように書き心地が柔らかく感じられる、最も筆記に適した素材なのです。
ペン先が撓むことでスリット(切り割り)の開き幅は最小限に抑えられ、インクが途切れることなく流れることで、ぬらぬらとした筆記感も得られます。
これが、他にない21金最大の魅力です。

ただし、素材である合金が柔らかいということは同時に製造しにくいということでもあるのです。
これが職人泣かせではあるのですが、セーラー万年筆では最高の書き味を求め続けた結果、21金ペン先を製造し続けることを選んだのです。

世界から評価される21金ペン先

セーラー万年筆が21金ペン先を作り始めたのは1969年(昭和44)。以降、21金ペン先万年筆は世界中で愛用されてきました。
米国有力雑誌『Pen world』の読者投票でも「Best Writing Experience(最も書き心地の良い万年筆)」を連続受賞するなど、多くの愛用者の皆様に21金ペン先が評価されています。
万年筆を使っていらっしゃる方も、これからの方も、ぜひ一度21金万年筆の書き心地を試してみてはいかがでしょうか。